かなり死闘でした。完走しました、STY(Shizuoka To Yamanashi)2014全行程91.5kmのロングトレイルを!あろうことか木曜日の夜(レース2日前)に記憶をなくし、目の上を切って(原因不明)流血騒動まで起こすほど酒に酔い、さらに減量に完全に失敗(レース当日75kg)したのにもかかわらずよく頑張りました(笑
STYゴール

記録は速報ベースで、15時間22分36秒(ゴール時間は午前3時22分36秒)、総合順位で43位エントリーリスト上の参加者数は1500名ほど!)つけることが出来ました!同じチームの山神・ぴょん様こと小松さんが昨年51位だったので、なんとかこの順位を越してやろうとがんばりましたが、なんとか達成できました!

STY記録

初めてのロングトレイルということで、ちょっとツラツラと書いてみたいと思います。


1. 正直なところ、なぜかナメてました。

はい、なぜだかわからないのですが、このSTYというレースをナメてました。距離91.5km、獲得標高4,715mとどう考えてもナメてよいレースではないのですが、「どうせUTMFの半分でしょ?」とナメてました。

そのため、多少疲れが残っていても大丈夫だろうと、前週まで毎週のようにトレイルに行き、疲れを引きずったまま出場。さらに上にも書きましたが前々日に大酒を飲み、ダイエットにも失敗し・・・さらには地図すら読み込んでおらず、行き当たりばったりもいいところ。ロングトレイルで地図の読み込みをしないとはどういうこっちゃ。

装備品の一覧はこちらに別途まとめてみましたが(【メモ】渡邊大介のSTY全装備公開。)、これらの装備を整えたのも実は前々日・・・とても本田圭佑的な「準備」ができているとはいえない状態での挑戦でした。

これはちょっと普通に反省です。


2. 異様な暑さと脱水との戦い。

レース前半は暑さとの戦いでした。下記レースマップで言うと、第二エイド(A8西富士中学校)までは完全なる夏日。下り基調のコースだったので、4:30/kmくらいのペースで軽快に飛ばしていたのですが、猛烈な暑さに体力はかなり奪われていました。
STY天子山地

それにもかかわらず、軽量化を図るために第二エイド(A8西富士中学校)では水を1Lのみ追加し、そのまま本大会の最大の難所でもある天子山地へ。

しかし、登り始めてからすぐに「異様な喉の渇き」が止まらなくなってしまいました。この時すでに軽い脱水症状になっていたのかもしれません。なんとか状況脱却のために、コマメに水分を補給。それでも一向に喉の渇きは止まらない・・・これを何度も繰り返しているうちに、上図でいうと長者ヶ岳を少し下ったところで水がなくなってしまい、まさかの非常事態。


水が・・・ない。水がない状態で、この後2つの山、それも最大高度の山を越えるだと・・・?


予備の水分として、Shotzとアミノダイレクトを混ぜあわせた濃い目のスペシャルドリンクが500ml弱残っていたのですが、味が濃いため喉の渇きを癒やすことができず・・・あえなく失速。2時間ほど水分がほとんど摂取できない苦しい時間を過ごしました。

しかし第三エイド(A9麓)で聞いたところによれば、こうした症状・状況は僕だけでなく、トップランナーですら同じような水分枯渇状態に陥っていたとのこと。それだけ気候としても厳しいレースだったのかもしれません。

実際、STYでも猛者とも言えるランナーが完全にレース展開を崩していたり、UTMFでも昨年1位の原さん、3位のセバスチャンが途中リタイアしたり、波乱含みの大会となりました。噂によると、UTMFの今年の完走率は60%ほどだとか・・・恐ろしい。


3. ナイトトレイルはちょっと怖くて、死ぬほど楽しい。

僕はちょうど竜ヶ岳エリア(約50km地点)からナイトトレイルに入りました。今まで多少のナイトトレイルは経験した事がありましたが、「ナイトトレイルウォーク」的なことしかやっておらず、「ナイトトレイルラン」をしたのは今回が初めて。

まず第一に、意外と怖くない!もっと幽霊とか見えたらどうしよう、とかそういう雰囲気あるかな、と思ってたのですが、レースになるとそういう感覚はなくなりますね。青木ヶ原樹海あたりで、たまに樹の枝らしきものが足に引っかかって「何かに掴まれたような感覚」になることもありましたが、ある程度気にしないことにしました(笑

第二に、コースをロストしまくりました(笑 視界が異様に狭くなるので、コースを進んでいたつもりがいつの間にか外れていた・・・ということが3回ほどありました。あれがなければもう少し速かったのに・・・道をロストすると心もやられますし、それが暗い中だとより一層です。

第三に、暗い中でのダウンヒル、下りはめちゃくちゃスリリングで楽しかったです。ちょっとアタマの線が切れてたんだと思うんですが、竜ヶ岳の下りで思いっきりスピード出してみたんですけど、これが今まで感じたことがないほどのスリル!神経を全集中させ下るため、本当にあっという間のビッグサンダー・マウンテンでしたがとても楽しかったです。もちろん一回おもいっきりこけて崖から落ちそうになりましたが(苦笑


ちなみに後になって気づいたのですが、どうにも視界が悪いな、と思っていたら、ライトの明るさを最低に設定しており、人より暗い中で走行していたというアホもやらかしておりました。ちゃんちゃん。


4. サポーター、ボランティアの存在が死ぬほど嬉しい。

これは心の底からお礼を言いたいです。本当に応援ありがとうございました。めちゃめちゃ励まされました。各エイドを出るときの、ハイタッチしながらの「いってらっしゃい!」にはホント元気づけられた。

特に知り合いと会った時の安堵感はなんとも言えません。A10本栖湖エイドでは、同じ会社の先輩・川村さんと、onyourmarkの松田さんと遭遇。それまである一定のランナーと抜かし抜かされの白熱した戦いを繰り広げていたので、とってもホッとしました。あそこで食べた湯葉ご飯、美味しかったなぁ。

また最後のエイドである鳴沢では、ダブ鯖メンバーの菅原がヘトヘトで入ってきた僕に「大介さん!」と声をかけてくれ、いろいろと情報をくれました。
STY最終エイド

さすがにこの時は消耗しきっており、「あと11キロもあんのかよ・・・」という感じで順位も落としていたのですが、ここで何とか気合の入れなおしが出来ました。

実際このエイドを出た時の順位は49位だったのですが、そこから1時間50分ほどかけてフィニッシュする間に6人抜き、43位まで順位を上げることが出来ました

しかし僕がゴールしたのは午前3時過ぎ。もっとも人がいないタイミングなため、寂しいゴールシーンが待っているかとおもいきや・・・ものすごい数のボランティアとサポーターがゴールで待っててくれたのです。これには感動したなぁ。もちろん昼間のゴールに比べれば人は少ないんだけど、涙ちょちょぎれました。

ゴール後荷物預かり所に行くと、やはりダブ鯖メンバーの杉様が。ここでもパシャリ。杉様のボランティア視点からのブログはコチラから。
STYゴール後

夜の暗闇を一人走っていると、こんなにも人が恋しくなるのか、と。この前のスリーピークスの時は生命というものについて深く考えさせられましたが、今回は人の暖かさに心打たれた大会となりました。



5. 運営は最高、コースは微妙?

まずUTMFの運営は別格ですね。素晴らしい。演出もいいし、エイドも充実。ボランティアのレベルも最高。集まっているトップランナーはスターばかり。あっちを見れば石川弘樹選手がいるし、こっち見れば相馬選手いるし、後ろ振り返ればセバスチャン選手いるし、みたいな。これがUTMFなんだと(そして、やはりSTYはサブレースなんだと痛感)。

一方でコースがどうだったかというと、こんなこというと怒られるかもしれませんが、ぶっちゃけ微妙、でした。これは僕の思い込みが行けなかったのかもしれないんですが、富士山の周りを走る、というのはさぞかし景色が綺麗なんだろうなぁ、と思っていたのですが、全然大したことない。下記写真が唯一綺麗に富士山が撮れたところで、これ以上の景色はコース上存在しませんでした。
STY景色

スリーピークスが行われる八ヶ岳やいつも走っている箱根のほうが全然綺麗でした。ここはちょっと期待はずれ。

コース自体の難易度もそこまで高くなく、トリッキーなポイントは数少なかったので個人的にはもっと難所があってもよかったかな、という感じです。終わった今だから言えますが(笑


6. UTMFを完走した選手は本当に尊敬する。

この大会は、25日(金)の午後3時にUTMF参加者がスタートし、26日(土)12時にSTYの選手がスタートします。UTMFの後半半分をSTYは走るわけです。したがって、僕らSTYの割りと速いランナーはガンガン先を行くUTMF選手を追い抜いていきます。

しかし僕が追い抜くとき、彼らUTMF選手達はすでに100km以上を走って(あるいは歩いて)ここまで辿り着いているわけです。すでに30時間前後走り(歩き)続けており、精神的にも肉体的にも限界に達しつつも、天子山地や竜ヶ岳のような山に挑んでいく。

すれ違いざまに「お疲れ様!」「ガンバ!」「ファイト、あともうちょい!」とか声かけても、STYの選手は反応があるのですが、UTMF選手は反応が薄い。というか疲弊しきっている。DVDで見て知っているつもりではありましたが、ここまで疲労MAXな選手たちを見せ付けられると、来年UTMF出るかどうかちょっと検討の余地ありかも・・・(笑

それほど難易度の高いレース。確実に披露するし、足を痛めるし、胃は気持ち悪くなるし、そうした中でゴールを目指す競技。変態の極地にあるレースであることを再認識しました。そんなUTMFですが、同じ会社の先輩であり、僕をトレイルの世界に招いてくれた恩人・金光さんが約40時間の旅を経てゴール。
UTMF金光さん

僕がSTYを走行中に、どうやら金光さんは胃を壊してしまったらしい、という情報を聞き、とても心配していました。胃を壊す→モノが食べられない→エネルギーが不足する→カラダが動かない、という負のスパイラル。こうなってしまってからの数十時間はほんと地獄だったと思います。痛かっただろうし、苦しかっただろうし、寒かっただろうし(最低気温0℃でしたからね)。

ゴール前で金光さんの姿を確認出来た時は、ホント感動しました。UTMFはこういうレースなんだ、と。改めて来年出るか再検討です(笑


7. HOKAとULTIMATE DIRECTIONが大人気。

こちらのトレランを始める人が知っておくと良いトレイルランニングブランド一覧。でも紹介しましたが、シューズではHOKA、ザックではULTIMATE DIRECTIONが非常に人気でした。

特にシューズ、10人に1人くらいはHOKAStinson EVOを履いてたんじゃないかなぁ、と言うくらいよく目にしました。そういう僕もHOKAラパヌイ履いてましたが、まさかこの1年でここまで浸透してくるとは・・・ミドルレンジ以下では履く気はあまりしませんが、一方でロングトレイルではいつの間にか圧倒的な指示を集めるブランドになっているようです。

ULTIMATE DIRECTIONも良さそうなので購入検討だなぁ。 


8. 電車・バス移動組は野戦病院に飲み込まれたくなければ、宿を2日間取っておくべし!

僕はコチラの記事(【注意】STYゴール後に宿を取っていないと、オフィシャルアクセスツアー組は死亡するらしい。)に書いたとおり、ゴールが予想される時刻にチェックインできる宿を予約していたんですね。これはファインプレーでした。

車できていた人やサポーターが付いている人は良いと思うのですが、一人で参加し、オフィシャルツアーや電車を乗り継いで会場まで来た人が深夜にゴールすると地獄です。死ぬ思いで走ってきて、要約ゴールして、その余韻を楽しむのもつかの間、深夜のゴール会場付近は0℃〜2℃くらいと冬なみの気温

しかもUTMF/STYのゴール会場には休めるところは殆ど無く(これは注意事項には書いてありますね)、着替えができるテントの中、あるいはストーブの周りに、凍えながら朝を待つフィニッシャーが野戦病院のようにたむろしていました。これは本当に地獄絵図でしたね。

僕は会場でそそくさと着替え、タクシーに乗り(会場にはタクシーが並んで待機してくれてました)、民宿 丸富荘というお宿に宿泊させてもらいました。深夜4時にチェックインさせてもらったのにも関わらず嫌な顔一つせず、お風呂に入れてくれ、ゆったりとした部屋を用意してくれました。

また僕は素泊まりだったのにも関わらず朝御飯まで用意してくれ、さらには会場まで送ってくれました。なんとお礼を言って良いのやら。本当にありがとうございました。

しかもこのお宿はUTMF第一回大会でヤマケンさんが宿泊し、日本人で最高順位を達成。その他にも多数有名大学の部活などが合宿場として使用しているようで、宿泊すると良い成績が出るというご利益があるんだとか(実績ベース)。来年UTMF出るなら丸富荘にお世話になりたいと思います。

纏めると、①STY参加者で、②ゴールタイムが18時間以内の人(午前6時までにゴールする人)、なおかつ③オフィシャルバスツアーか電車で移動してきた人、は宿を取るべし、です。


9. それでもやっぱりUTMFには出なければならんのだろう。

今回STYを走ってみて、改めてロングトレイルの激しさを実感しました。来年STY出る?って聞かれれば「はい!」って答えられるけど、上に書いた理由もあって、UTMF出る?って言われるとぶっちゃけ躊躇する。それくらいショッキングでした。

しかしながら、とある女性のヒトコトでハッとさせられました。今年のUTMF最後のフィニッシャーである田中さん(女性)のヒトコト。
UTMF田中さん
吐き気が続き、汚い話だけど下痢にもなり、モノも食べられず、足をかばっていたら腰が曲がってしまい・・・医者からは「リタイアしなさい」となんども言われたけど・・・でもだって、あたし達は「ドM」でしょう?ゴールするしかないな、と。
 一部間違ってるかも知れませんが、だいたいこんなことを言ってました。そうでした、僕らはドMでした。苦しそうだから出ない、じゃないですね。だからこそ出る、だと。

この田中さん、世界的に見ても最大難易度のウルトラトレイルである「グランレイドレユニオン」にも今年参加するそうな・・・負けたわ。 

ということで、来年はUTMFがんばります。STYの43位は、UTMF換算すれば200位とかだと思います。それくらい、STYとUTMFでは出場している選手のレベルが違う。本当にハイエンドな戦いに首突っ込むならやはりUTMFに出ないとね。 

ということで、UTMF/STYに出場された皆様、本当にお疲れさまでした!来年も頑張りましょう! 


今まで書いたSTY関連記事はこちら。