先日は憧れのトレイルランナー石川弘樹さんプロデュースの大人気のトレラン大会斑尾高原トレイルランニングレースに参加してきました。すんげぇ楽しかった!

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エントリー開始後数分で埋まってしまうほど評判の高いレースなので、昨年から出場したいと思っていましたが念願叶いました。

天気はあいにくの雨。スタート地点には霧が立ち込めていましたが、コース、運営、スタッフ、全てが抜群の素晴らしいレースでした。その辺りはこちらのブログでも他メンバーが書いてくれていますが、さすがの石川クオリティでした。

しかし目標には及ばず・・・2014年内最後の有名レースだったため、密かに10位以内、あわよくば上位入賞を狙っていたのですが、結果は5時間20分36秒で21位。しかもダブ鯖内争いでデットヒートの末、2位(20位に菊池)と、なんとも悔しい結果に終わりました。ちなみに菊池と渡邊の差は70秒・・・悔しい。


今回斑尾高原に参加したメンバーはトレイル歴は浅いものの、僕よりも足が速いメンバーが多かった。

特に菊池(九十九里トライアスロン20代後半の部1位)はトレイルレース初参戦ながらも僕よりも登りが早く、前週一緒に登った高尾山では千切られた。さらに先日行われた信州戸隠トレイル24位に入った植原も侮れないし、もともとのランのスピードでは村田飯高も僕より速い。これは結構チーム内競争も熾烈だぞ・・・?

そんな、なんとも言えない良い緊張感でレースに臨むことが出来ました。ちなみに爆速・澤木にはミジンコほども負けるとは思ってなかったけどね。
【斑尾高原トレイル・コース】斑尾高原レストランハイジ→ぐん平街道→大池→斑尾林道→大明神岳→斑尾山→レストランバンフ→中央トレイル→西トレイル→万坂峠→袴岳→赤池→希望湖→毛無山→東トレイル→レストランハイジ

◯スタート〜斑尾山◯

スタート時は先日の白馬国際トレイルで味をしめたため、チームメンバーで先頭を占拠。石川さんのカウントダウンとともに一斉に飛び出します。

まず飛び出したのは僕と菊池の2名。続いてランに自信があるものの、白馬国際トレイルで後半失速したためビビリまくってスピードを抑えていた村田が3番手。安定走行の植原、飯高が続き、最後に爆速澤木という形でレースは始まりました。

開始直後、コース図ではわかりにくいのですが地味に上りが続きます。ここで上りに自信のある菊池が一気に加速。渡邊との差を一気に引き離しに掛かります。完全なる先行逃げ切り。へへへ、馬鹿め。前半飛ばしすぎて後半くだばっちまうがいい・・・そう僕は思いながら、ここではスピードを抑えて後半の勝負に掛けることを決意します。


◯斑尾山〜袴岳◯

レース中盤、このレースの最大の山場とも言える斑尾山に差し掛かります。コースマップ上は一気に500m前後上がるのでちょっとビビっていたのですが、さすがは「走れるトレイル」、かなりのハイペースで一気に登り切ることが出来ました。正直こんなもんか、もしかしたら俺調子いいのかな、とも思いつつ、一方で全く見えない菊池の背中・・・かなり離されちゃってるのか?

そこで、斑尾の下りでは抑えていく予定だったのですがちょっと変更。斑尾山の下りからスピードを上げて一回追いつこうと思ったのですが、このジグザグゲレンデダウンヒル・・・雨と相まって激烈に滑るようになっていました。

さらに悪いことに、チョイスしたシューズとの相性が良くなく(HOKAのラパヌイトレイル)全くスピードを出すことが出来なかったため、安全策としてゆっくりと斑尾山を下りきりました。

これはもう次の山で一気に差を縮めなくては!と第3エイドで決意し、次の袴岳では登りからかなりハイペースで刻んでいきました。袴岳は約4回のアップダウンを繰り返しながら山頂を目指すのですが、ここでジェルを2つ投入し、中盤のスパートを仕掛けます。

この辺りから上位のランナーが落ちてきていたので、まだまだ元気な僕はここで複数人抜き去ることにも成功し、どんどんペースを上げていきます。ここはかなり調子が良かったし、気持ち的にも上がってきていました。

そしてあっと言う間に袴岳山頂へ・・・しかしまだまだ見えない菊池の背中。

正直かなり焦ってきました。調子が良いのに追いつかない。袴岳山頂はちょうど30km地点。半分を経過し、スピードを上げているにも関わらず全く背中が見えてこない。これにはかなりメンタルを追い込まれました。菊池よ、お前はそんなに前にいるのか・・・確かに菊池の足はかなり筋肉質で、最後までにげきれちゃうのかもしれない・・・これはまずい
 
そんな思いを振り切るように、袴岳の下りでもスピードを上げて攻めていきました・・・が!ウネリが多く、落ち葉の多い袴岳のダウンヒルは今まで体感したことないほどスリッピーでもうコケまくり・・・それでも「下りが得意」を自称するトレイルランナーとしてここは攻めなければ!ここで差を縮めなければ!下りなら菊池に勝てるんだ!と頑張っていたら・・・


落ち葉に隠れていた木の根に思いっきり左足を引っ掛けてしまい、「ポキ」という音が骨伝導で脳内に響きました・・・その1秒後、激痛


「あ、やっちまった・・・」


「ポキ」という音が確かにしたので、確実に折れたと思いました。おそらくこの時の順位は30位前後。前後にランナーはおらず、あまりの痛さにうずくまりました。

次のエイドまではおそらく数キロ・・・なんとか歩いて行ってリタイアするか、どうするか・・・いや、ここでDNFしたら小松ぴょん吉「またDNFですかぁ、癖になってますねぇ、あひゃはは」とか言われるに決まってる・・・骨まで行ってないかもしれない、なんとか走れないものか・・・などなど、まさに「葛藤」
 
しかしここまで調子が良かったので、なんとか痛みが引くのを待って再び走り始めました。最初は本当にびっこを引く感じでしたが、人間のアドレナリンとはすごいもので、なんとか走れるように。ここはもうメンタルだな、と思ったので「イケるイケる、大丈夫大丈夫」と口に出して自分を鼓舞し、菊池を追いかけました。


◯毛無山〜ゴール◯

痛む左足をひきづりながらも袴岳を下山し、第4エイドに到着。ここに来た時にはだいぶ痛みは治まっていたので、改めて気合を入れ直し、カフェインジェルを注入。眼の色を変えて菊池を追い抜くべく、最後の山・毛無山に挑みます。

しかし毛無山は「拍子抜け」という言葉があまりにもマッチするくらいあっけなく終了してしまい、逆に焦る。後半の山場があっという間に終わってしまい、あとはゴールまで比較的平坦な道。

トレイル歴の浅い菊池に追い付くためには、平坦区間ではなくアップダウンのある山岳エリアだ!と思っていたのですが、ここでも追いつけずさすがに「こりゃ追いつけないかな」という思いが出てきます。「まぁ、足折れてるかもしれないし、よく頑張ったよオレ」みたいな誘惑も・・・

しかし、そんな弱ったメンタリティとは裏腹に、先ほど注入したカフェインが効いてきたのか、ぐんぐんスピードを上げられたので、最後の勝負と思い、毛無山の下りから一気にスパートを掛けます。

ここで一気に5人ほど先行するランナーを抜き去り、希望湖畔を快調に飛ばしていると見えてきたのは・・・青いシェルを着た菊池の姿!!!残りは3km!足痛いのによく頑張ったオレ!

しかも菊池は疲れてる、かなりバテてる。ほぼ走れてない!前半あんなに飛ばすからだぜ馬鹿め!!w これは「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」と思い、「激走モンブラン」で鏑木さんがアメリカの伝説的ランナーであるスコット・ジュレクを抜き去るシーンを思い浮かべながらジェルを補給し、



「やっと見つけたぞこるぁぁぁぁぁあ!」


と大声で叫んでしまいました、これ失敗。

これで僕の存在に気づいた菊池は逃げまくります。さっきまでバテバテだったのに逃げに逃げます。速い。さすがは九十九里トレイアスロン20代1位。

このやろう、ここまで来て逃すわけねーだろーが!ハッハー!!!
と思い、僕も全力で追います。さっきまで骨逝っちゃったかも、オレもうダメかも・・・とか考えていた人間とは思えないくらいの元気っぷりで菊池を追い込みます。

たぶんこの時の2人はかなり速かったでしょう。希望湖畔のアップダウンで4分台で走っていたのではないでしょうか?そんなデットヒートを繰り返すこと約1分。見事菊池を抜き去ることに成功します。抜き去り際のセリフはあえて敬語で、


「右側パスしまーす(歓喜」


トレイル後半で人を抜く場合は、如何にこちらに余力があるか、を相手に知らしめる必要が有るため、抜いたあと更に加速。どんどん菊池を引き離し、菊池の視界から消えることに「一瞬」成功します。

これで勝った、なんとか勝った・・・よかった・・・と思っていたのもつかの間、目の前に予定外の登りが現れます。


あれ?コースにこんな登りあったっけ?


かなり飛ばしていたため、この登りで失速を余儀なくされます・・・余儀なくされてたらなんと、後方に菊池の姿が!しかも登り走って登ってやがる!!!どんだけ登り好物なんだお前!!!

と思いながらも、あっさりと抜き返される僕。登りで差し返す気力はなし・・・しょぼん。


なんとかヒーヒー言いながら登りきり、スタート地点近くまで戻ってきた頃には菊池の姿は見えず・・・最後スキー場の下りで爆速で飛ばし、1名抜き去るも時すでに遅し。ゴールの方で菊池がゴールしたことを告げるアナウンスが聞こえてきちゃってはい終了。

非常にアツい展開でしたが、負けちゃいました。でも良い勝負だった!しかもその3分後には植原もゴール。実はすぐ後ろにいた事を気付かされ、ダブ鯖のトレラン力向上を実感しましたね。



レース後、菊池は僕以上に出しきっていた様子で完全に消耗していました。それくらい全力で逃げていた、追い込めていたということで、完全にメンタルで負けましたね。僕はまだ力的には出し尽くしてなかったのに、メンタル面で自分を追い込むことが出来なくて最後菊池に負けちゃいました。ここは大いなる反省です。

とは言え、とっても良いレースが出来、満足。来年もぜひ出たいと思います。

あ、あと爆速・澤木には1時間20分差をつけて勝ちましたとさ。