トレイルランナーっておしゃれな人、多いですよね。一昔前までは「ザ・自衛隊」「山岳救助隊」「山男」なイメージもあった(?)トレイルランナーですが、ちょっと大会に出てみるとそれはもう様々なトレランファッションを目にすることが出来ます(密かな楽しみです)。

05

個人的にはマラソンランナーにおいて主流のファッション(都会型の細身スタイル)より、トレイルっぽい筋肉をむき出しにしていくワイルドでちょっと粗雑なスタイルがとっても好きなんですが、果たしてみなさんはどうなんだろう?

どんなブランドを愛用しており、何を参考にしているんだろう?誰のファッションを自身に取り入れているんだろう?

ちょっと気になってしまったので、トレイルランナー約300名の皆様にアンケートを取らせていただきました。ご協力頂きありがとうございました。

以下にて整理して発表致します!


結論:石川弘樹、最強説。

昔から上司に結論から話せと言われて育ちました故、まずは結論から。一言で言えば・・・石川さん、影響力でかすぎる・・・というところでしょうか。

石川弘樹パタゴニア×モントレイル、という公式が如実に反映されるアンケート結果となりました。ちなみに僕も石川さん大好きですし、めちゃ参考にしてます。

その他の結果まとめは下記。
  • シューズは群雄割拠。新規ブランド参入余地あり。
  • ウェアはノースフェイスとパタゴニアの2強体制、どうしたサロモン。
  • ランナーに影響を与えているのはマス的な雑誌や有名人だけでなく、草の根マーケティングの可能性大。
  • 影響力が高いトレイルランナーは、速さ・人格・かっこよさを兼ね備えた石川弘樹さんがダントツ。
では詳細を展開していきますね。



シューズ部門:2強体制から群雄割拠な予感

名称未設定

僕がトレランを始めた約2年前はサロモンが圧倒的な感じがありました。アートスポーツに行くと、サロモンのスピードクロス、フェルクロス、S-LAB SENSEなどなどがたくさん置かれていた記憶があり、その横にモントレイルがバハダマゾヒストが置かれている、といった印象だったと思います。

それが現在では逆転傾向にあり(あくまで個人的感覚ですが)、少しサロモンの商品陳列が少なくなり、バハダは色違いまで置かれるようになりましたね。

名称未設定さらにナチュラルランニング系のinov-8、そして真逆の発想である厚底シューズの・HOKAも市民権を得てきた感を強く受けています(この辺りの主要注目ブランドについてはこちらにもまとめています)。

数字を見てみても、3位inov-8と1位のモントレイルは30票ほどしか離れておりません

またある意味「イロモノ」である厚底。HOKAも50票近い得票を得ており、ロングトレイルなどにおいてはむしろスーパーメジャーに上り詰めている感覚すらあります。(この辺りの感想はこちらにリアルな声を上げております)。

それより下位に目を向けても大きく離されているブランドはほとんど無く、いよいよシューズ領域においては群雄割拠といえる状況になってきたと言えるのではないでしょうか?機能性が期待されるシューズ領域においてはこうした競争は非常に歓迎ですね。

※個人的所感を書き加えておくと、おしゃれトレイルランナーはALTRAを履いているイメージが強いです。


ウエア部門:ノースフェイスとパタゴニアの2強体制

名称未設定
個人的には驚きの結果だったのですが、ノースフェイスがウェア部門では1位に輝きました。そして僅差でパタゴニア。この辺りは後述する2大エヴァンジェリスト、鏑木毅(ノースフェイス)&石川弘樹(パタゴニア)の構図が色濃く出ている部分と言えるでしょう。

kilian-jornet意外だったのはサロモンが大きく離された3位というところです。やっぱり僕がトレラン始めた頃はサロモンばっかり目に入っていまして、実際サロモンLOVERだったわけなんですけれども、結果としてはこのようになりました。

サロモンと言えば世界最強トレイルランナー、キリアン・ジョルネが有名ですが、ある意味で「レベルが高過ぎる」と思われてしまっているのかもしれませんね。さらにデザインが画一的で遊びを許さない感じがあり、多様性を求めたい、ウェアで遊びたいというトレイルランナーにはマッチしづらいのかもしれません。

また選択肢にあげていないところで言うと、RaidLight、HAGLOFS、ファイントラック、MAMMUT辺りが人気でした。それぞれ5票ずつくらいは入ってましたね。

一方でウェアはシューズに比べて「好きなモノを着る!」「カラフルで目立つもの!」「気に入ったものであればなんでも!」とシューズに比べて自由な印象のコメントが多く寄せられていました。

ここでも個人的なところを述べておくと、MMA(マウンテンマーシャルアーツ)がズバ抜いておしゃれなため、より一層の活躍を期待しちゃってたりします。


情報源:マスか、草の根か。

名称未設定

ここでは多少本業であるマーケティング的見地から。上のグラフを見て頂いて分かる通り、1位は雑誌、2位がウェブサイト、3位が有名トレイルランナー、と比較的「お金をかけて出稿する」旧来型のメディア・セレブリティーの影響が見て取れます。

しかしながら5位以下との差は半分も離れておらず、5位と1位の得票差は50票も差がついていません。それ以下の6位・店員のすすめ、7位・市民ランナーが身につけているもの、8位・先輩からの影響と草の根系の合計得票を合わせて考えれば、218票獲得しており、1位の雑誌112票をゆうに上回ってきます

そういう意味では、僕がトレイルブランドのマーケティング担当者である場合、今までのようなトッププロにスポンサードして、雑誌にガンガン出稿すること以上に、個人へのサポートやスポーツショップへの販売支援など、そういった活動に力を入れていく可能性は十分に考えられるな、と思います。

ちなみに僕個人は市民ランナーチームであるトレイル鳥羽ちゃんの皆さんがお洒落さんが多く、とっても参考にさせてもらっています。


影響力:王者・石川弘樹体制。

名称未設定
さらに限定的に「誰を参考にしているか?」を伺ったところ、トップは予想通り、石川弘樹選手。ダントツの人気でした。日本人初のプロトレイルランナーでありながら、ただの山を速く走る人、という枠組みにとらわれず、ライフスタイルごと提案する彼のスタイルは多くの共感を呼んでいますね(というか単純にかっこいい)。

3位4位は鏑木毅、ヤマケンと続きます。どちらも日本を代表する人気ランナーですね、異論はないでしょう。ノースフェイスの根強い人気は鏑木さんに支えられているものと考えてもそんなにまちがっていないはず。一方でヤマケンさんをサポートしている「HOUDINI」は手に入りづらいからか、鳴りを潜めてますね。

Tony-Kそのすぐ後ろにつけるのは世界トップランナーであるキリアン・ジョルネ、そして一部で熱狂的なファンを持つアントン・クルピチカが続きます。僕もどちらの選手も大好きですが、キリアンについてはこれらのビデオを見るともっと好きになると思いますし、アントン・クルピチカのファッションはレースごとの楽しみであります。

その後も奥宮さんや松本大さんと有名選手が名前を連ねますが、それ以降はグッと影響力が下がってきます。小川さん以下の得票数を足し上げても石川さん一人に勝てないような状況です。いかに石川さんの影響が強いか、という事がわかりますね。

さらに面白いのは「速いこと」が人気に直結しないこと。山と対峙するこのスポーツにおいては、人格やライフスタイルなども含めて評価されるのかもしれません。

また付け加えると、次なるスターが期待されるところ。世界で戦える日本人、それもトレイルランニングの新しいスタイルや考え方、ルール作りなどにも思考を展開しつつ、カッコイイスポーツとしてのトレランを世の中にアピールしてくれる存在が待望されます。


以上、トレランのおしゃれ、についてまとめてみました。次はトレラン人気の大会、について調査してみたいと思います!